昨晩は観戦お疲れ様でした。バレーヲタのリオです。
勝てて良かったのは良かったのですが、課題も多かったし、観ていてストレスを感じる試合ではありました。
ストレート勝利したかったですしね…。
試合結果
日本 3-1 イラン
実況
180527 VNL vsIRN - Curated tweets by stellakin_vb
試合のポイント:今までの相手とは違い、ガチメンのイラン。タフな試合だった。日本はチームの課題が浮き彫りに…
本当に観ていてストレスを感じながら実況していました。
これでも勝ったんですけどもね…。
もっといいバレーできると思うんですよね…。
勝ったからいいじゃないと済ませてほしくない試合でした。
ポイントになってくるのは、
- リベロの役割
- メンバーチェンジ
- ディフェンスの約束事
かなと思います。
誰が悪いとか犯人探しばかりをするのではなく、チーム全体を見ながら感じたことを書いていきたいと思います。
1.リベロの役割。リベロはコートを広く守り、スパイカーの負担を減らしてこそ!!
まあ結論から言うと、このチームで今のところ1番問題だと思うのはリベロです。
日本代表だけじゃなく、今の男子バレーはサーブからスパイクの助走の入りまで何もかもが速いですよね。
高度なプレーをしていくには、状況判断がとても要求されます。
相手は自分たちのやりたいことを全力で邪魔しようとしてきますから、思うようにはいかない…そんな中で選手達は戦っています。
中垣内監督体制になって、去年からリベロについてはかなり疑問を持っています。
いや、なんであんなにスパイカーがリベロの前にいて拾ってるの?コートの中を走ってるの?それやるのはリベロじゃない???
って話なんですよ。
辛口でしょうが、ここは言っておきたいです。
この試合も酷すぎて内心キレそうでした…。
リベロはスパイカーより前に出てスパイカーの分も拾っていかないと、男子バレーの高度なプレーをスパイカーが発揮できませんよね。
特にバックアタックの助走の邪魔にならないように自分で移動したり工夫をしたり、味方にディフェンスの指示を出して動かす…そういうポジションのはずです。
#VNL #Volleyball in Rouen:
How many touches in this megarally? How many great saves? How many gallant stands by the net? And which team earns the point? @IRIVF or @JPN_Volleyball ?#BePartOfTheGame pic.twitter.com/5fL1BxDT23— Volleyball World (@FIVBVolleyball) May 27, 2018
↑FIVBの公式動画なのですが、柳田選手がトスではない浮いたボールでも隙あらば打つ…バックアタックしようとするシーン…。
井手選手が柳田選手のすぐ横でレシーブで返そうとするのですが、これは柳田選手と交錯してケガをするかもしれなかったです…。
助走の時はリベロが近くにいると危険なので、スパイカーも全力で助走できず委縮してしまうこともあります。それがスパイクミスに繋がったりもします。
こういう場面でリベロに求められるプレーというのは、「速やかに避ける」のもそうですがむしろ「打てと指示する」くらいのものです。
浮いたボールを「誰がセットしろ」とか助走の準備をしているスパイカーを見つけて「そこ(レフトとか)に持っていけ」とか指示をする立場です。全体が見えていないとできないポジションですね。
もはや綺麗にボールをレシーブする、レシーブがいい人だけがやるポジションではないんですよ。
そして何より、フランス戦で登場した古賀太一郎選手と井手選手の守備範囲が違いすぎる…。
ここをかなり問題視しています。
周りにいるリベロと関係の深いOHの選手はイラン戦とフランス戦では入れ替わっているのですが、これでいいとは思ってほしくないですね…。
つまりは井手選手と太一郎選手で、それぞれの選手の能力に合わせて周りの選手が動いているということになります。
これはとてもややこしいことですよ…。
リベロによって守備範囲が異なるのでは、周りの選手達の動きも変わってしまうので2人分のシステムを覚えなくてはなりませんし、瞬時の判断でミスが起こってしまうこともあります。
よろしくないですね…ここが去年のままなのが本当に残念でなりません。
この試合でも柳田選手や西田選手など打つ人間が走り回っていて、助走が取れなかったりもしていましたので…。
2.メンバーチェンジ。スタメンだけで粘り過ぎた。もっと交替を活用しながら戦わないと、一向に選手が楽にならない
決断が遅かったな…という印象でした。
この試合は、タフなゲームになりそう。。西田持つかな…。
— リオ@バレーブロガー時々きすまい (@stellakin) May 27, 2018
特に福澤選手で粘り過ぎましたね…。
完全に崩されちゃってる段階で浅野選手に交替するのですが…そうなるともう遅いんですよね。
ストレート勝利できそうだったのに、3セット目は取られてしまった…。
交替はあっても、もう修正不能な段階で交替になって立て直すのはどんなにうまい選手でも難しいことです。
浅野選手はスタミナの面で確かに不安もあって、フル出場はなかなかさせられないとは思いますが、それでももっと浅野選手は早めに起用したい…。
いや、フランス戦を観ていても、福澤選手と髙野選手では動きの良さで髙野選手に軍配が上がると思うので、途中で崩れてしまうベテランをしつこく起用するのもどうなんだ…という気持ちになります。
まずはボールを追いかけるところからです…。
ベテランらしくフォローしてもらいたいのですが…フォローしているのは年下メンバーという……。
勝ったけどさ…という部分ですね。メンバーチェンジの遅さは致命的です。
「勝ったからいい」で終わらせてほしくない部分でした。
3.ディフェンスの約束事。やはりスパイカーがレシーブに加わり過ぎ。ちっとも楽にならない
1.リベロの話にも通じますが、スパイカーが本当に楽じゃないと思いますね。
レシーブ動作がないだけで…スパイクの方に集中出来たらどれだけ楽かと思います。
リベロの前を積極的に横切るスパイカーもどうなんだろうとは思うのですが…でもこの試合で出場していたのがスパイカーに任せてしまうリベロですしね…。
親善試合の頃からOPの守備範囲も変化していて、西田選手にしろ大竹選手にしろ、フェイントボールなど真ん中に緩く落ちるボールに積極的に飛び込むようになったんですよね。
転んだ時など一旦低い位置で拾ってからスパイク動作に入るのは、体にも負荷がかかります。
どうも「拾える(守備範囲の広い)人が拾えばいい」というチームのようです。この辺がな…。
良かったところは戦い方
良かったところも書いておきましょう。
イランのOHにバックアタックに入らせないようにサーブから崩して転ばせていたのが好印象でした。
転んでしまうと攻撃枚数が減りやすいですから、攻撃の選択肢が減り相手にとっても嫌だったはずです。
ブロックもしやすいはずなのですが、ブロックはまだまだ修正の余地があると思います…。
MB2人の躍動。クイックとbickは藤井選手の好判断
数字だけで見ると、西田選手のスパイク本数が44本と圧倒的なので攻撃が片寄っていたかに見えると思います。
しかし、西田選手に片寄ったのは、ハイセットを打つ場面がどうしても多くなったからです。
もしくは、他の選手でスパイクが決まらなくて、本数はかさみますが西田選手しかないとなってしまっていました。
しかしセッターの藤井選手はパスが高く返って自分に余裕があれば積極的にMBのクイック、OHのバックアタックを多用していました。
MBの李博選手、山内選手共に攻撃の参加意識が高く、どんなボールが上がっても積極的にクイックに入ってくれるので藤井選手もどんどん使っていました。
藤井選手は強気というイメージで、助走に入ってないとスパイカーに怒るというエピソードもあり決して優しくはないですが、スパイカーの意識を高めてくれるいいセッターですね。
藤井選手がトスを上げている間は、ボーっとなんてしていられませんよ。常に走らなくては。
西田選手の打数が多いのは、藤井選手も少しムキになっていたところもあって、是が非でもこの試合に勝ちたかったから片寄ってもどうなっても形振りかまわず点数を取ることを優先した面もあったかと思います。
セッターの理想通りのセットアップを毎試合相手にさせてもらえるわけではない…勝ち方を知っているセッターですよね。
ガエミ選手vs西田選手…!レフティ対決にもご注目
ガエミ選手はイランチームの中でも好きな選手なのですが、この試合では前衛で西田選手と3ローテーションマッチアップするという面白い対決が見られました。
ガエミ選手はOHの選手ですので、西田選手がライトからスパイクを打つ際はずっと目の前にいる状態でした。
レフティならではのコースなどもあるので、そういう起用だったのかな?と想像します。
そして、途中西田選手が勢い余ってイランコート側まで体がはみ出してしまう場面もあったのですが、目の前のガエミ選手が西田選手を抱きかかえて助けてくれる場面も…!
ガエミ選手、優しい…。
ただ、ガエミ選手は敵に回したら本当に嫌な選手で、レフティだしサーブは高速だし、OHだからレシーブもいいしスパイクも強烈…。
西田選手がガエミ選手みたいになったら面白いなと密かに思っています。
西田選手にはガエミ選手がどんな風に映ったでしょうかね?
ストレスの部分を除いては、勝ったことは本当に良かったです。
ガチメン・イランに勝ったのを観たのは、2015年のワールドカップ前にアジア選手権という大会で、清水選手の調子が良くて本当に止まらなくて…という試合内容で勝った時以来ですね。
まあ、イランは当時戦術面であまり良くなかった…というのもありますが。ワールドカップには修正して日本に勝ちましたしね。
しかし、日本はもっとうまくチームを回せるなぁ…と。もっといいバレーができますね。
今のメンバー、確かに本命は石川選手も加わるといいと言われていそうですが、このチームでも十分戦えると証明しつつあります。
今はメンバーのポジション争いの面もあるので、石川選手もうかうかしていられないと思いますよ。
まあ、このチームですらまだ「ベストメンバー」と思えるメンバーで戦っていないと思うので、本当のところはどうなのかわかりませんけども。
ベンチが「このメンバーだからイランにセットを取られても仕方ない」と思っていたとしたら、選手達を過小評価しているのではないかと思います。
S…藤井選手
OH…柳田選手、髙野選手(バックアップは浅野選手)
MB…李選手、山内選手、高橋選手(MBは選べないほどに混戦模様。李選手が少し抜けてる)
L…古賀太一郎選手
この組み合わせがいいかなと思うんですよね…。
オーストラリア・イラン戦のメンバーと、フランス戦のメンバーをうまく混ぜてくれないかなと思ったりします。
メンバーチェンジが有効なこともフランス戦で証明されましたし…いいチームです。
これからどうなっていくのか…。
まあ、負けたけど面白くてワクワクしたフランス戦の直後のこの試合のスタメンを見た瞬間のガッカリ感と言ったら…!半端じゃなかったですけどもね…。
面白い試合をしたフランス戦のメンバーが、前日のメンバーに混ざるときっともっと面白くなる…!という気持ちを一気に殺がれた瞬間ですね…ベンチは何を考えているのやら。
選手も起用してもらえるからと、胡坐をかかないでほしいですね…。
ポジション争いがきちんとできているのかどうか…不安になったスタメンでした。
もっとプレーにアグレッシブさがほしい…一部の選手にはボールに食らい付いている姿がないんですよね…積極性がほしいです。
日本代表なんですよ!?
次週はブラジルに移動し、アメリカ・ブラジル・韓国と戦います。
アメリカとブラジルには正直コテンパンにやられると見ていますが、韓国には確実に勝ちたいですね。