どうも。お久しぶりです。バレーヲタのリオです。
夏休みに入ったのですが、ブログの長期休みはグラチャン後にするとして、珍しく、8月は休まず稼働したいと思っています。2週間書きませんでしたが。
本日の記事は「アジア選手権までを振り返る」前に、ここを解決しておきたいと思ったので書いていく前座記事になります。
それでも、今後初心者の方もわかるように…残っていく記事になればいいなと思っています。
そして、この記事は質問でリクエストいただいた記事でもあります。
前回少しだけ「2番と5番」があるよと簡単にしか説明していなかったので、具体的に説明ほしいというご要望がありました。
前回記事:【全日本男子バレー・龍神ニッポン】WL2017 G2 6/18 中国vs日本 アウェーの洗礼。試合には負けたが目的は果たした
結構時間が経ってしまいましたが…申し訳ございませんでした。ようやくです。
そもそも実況のTBS・新タアナウンサーが「柳田がポジション2、石川がポジション5」と言い放ったので、まずは用語の解説です。
ポジション2、ポジション5とは…
新タアナウンサーという人は、バレー戦術の知識に長けた貴重なアナウンサーの1人なのですが、彼の知識の元になっていると言われているのが「バレーペディア」というものです。いわゆる「白ペデ」。※現在はまず手に入りません。
「ポジション2」などはそこで出てくる用語です。
バレーペディアのネット版がありますので、そちらを参考にすると、新タアナウンサーの言わんとしたことがわかってきます。
上の図は、コートを6分割して、サーブ順に番号をふったものです。
参考を見ながら作りました。実際のバレーコートは9mの正方形ですが、見やすくなるよう長方形にしています。
ポジションは必ず、S→OH→MB(ミドルブロッカー)→OP(オポジット)→OH→MBの順番に並んでいます。
「ポジション2」のOHとは、セッター(S)をポジション1(①の位置)とした時に、②の位置に来るOHのことです。
「ポジション5」のOHとは、セッター(S)をポジション1(①の位置)とした時に、ポジション2(②の位置)の対角、⑤の位置に来るOHのことです。
よく実況のアナウンサーが「S1ローテーションです」と言うことがあると思います。
それは、「S(セッター)が1番ポジションの位置のローテーション」ということになります。
しかし実際試合でのサーブ順は、セッターが必ず①のところから始まるというわけではないですよね。
実況アナウンサーが「今日のサーブ順はS6スタートです」と言った場合、セッターが⑥の位置からスタートするということですから、1stサーバーが誰がわかったりします。
日本がサーブから始まる場合、セッターのすぐ隣のポジション…つまり、2番のOHだ!といった具合です。
この配置は大分応用できるので、覚えておくとバレーがさらに楽しく観られます。
このような用語が出てくるのはTBS・新タアナウンサーだけではなく、NHKの実況のアナウンサーの方も何人かいらっしゃいますので。
2番と5番の差って何?どっちもOHじゃん…いや、少し違うんです
対角を組んでいるOHですが、どちらも昔で言う「レフト」のことというのは変わりません。
ですが、6人いる中での役割は違ってきます。特に影響してくるのが「レセプション」です。
OHは前衛でも後衛でもレセプションに参加するポジションです。
レセプションのフォーメーションから見る違い
レセプションのフォーメーションというものがありまして、その配置を今季の龍神ニッポンの試合を見ながら作ってみました。
位置はおおよそです。OHを「②」と「⑤」に分けて表記しました。
※必ずこの位置で毎回取っているわけではないです。ジャンプフローター相手にはもっと前めにいたり、ジャンプサーブは奥にいたりします。
人数を減らしたり、増やしたりする時もあります。以下は、OH2人とLの3人でレセプションする場合と考えてください。
↑はサーブを打つ前に静止している状態。↓はサーブが打たれて移動した後のフォーメーションです。
2番が前衛、5番が後衛…は黄色、
2番が後衛、5番が前衛…は緑色に色分けしました。
この図を見ながら、自分だったらどこを狙ってサーブを打つか?を考えてみるのも面白いかもしれません。
上と下の図の何が違うかというと、「人の移動」です。
セッターが後衛の時はサーブが放たれた瞬間に後衛の位置からネット際に移動します。(※ルール上、サーブを打つ前は所定の位置から移動してはいけません)
OPやMBもスパイクが打てるように移動します。目の前に来たらレセプションすることはあります。
OHやリベロ(L)は、レセプションが終わってから移動します。ボールに触らなかったOHもすぐスパイクを打つ体制に入ります。カバーに入ったりもしますが。
こういった「人の移動」は実はレセプションする側にはなかなかつらいものです。
目の前で人が移動するので、サーバーが見えにくかったり、サーブのボールそのものを見失ったりもします。
特に厳しいのが、「S6」ローテーションの時ですね。2番のOHがサーブを打った後すぐのレセプションです。
2番OHの目の前で、Sがネット際に向かい、OPは助走に下がり、MBは真ん中寄りに移動します。あの大きい人達が!
そして、その人の移動が多いところへ、サーブを打たれたり…相手はもちろん人が交差するのをわかっているのでそこに打ってくるわけです。
こんな時は、2番OHとリベロ、どちらが取るのか?
高速なジャンプサーブの場合はその場から動く前に目の前にボールが来たりしますけど、緩いサーブはリベロが取ってくれた方が2番OHが格段に楽です。
何せ、リベロの位置の方が視界が広いのですから…。
古賀太一郎選手は入ってすぐこのボールに対応しましたが、井手選手が対応したのはアジア選手権のファイナルの最後の4セット目からです…。
周りのレセプションしない選手も、レセプションする選手にボールを見失わせないよう、邪魔にならないように移動するというのも実は技術が必要です。
このように、目の前で人が密集しているフォーメーションとよく当たる2番はレセプションするのがとても難しいんです。レシーブの上手い下手だけの問題ではありません。
S4・S5は前衛にいるMBのおかげで結構見えづらかったりしますから。
前回の記事で、このような表現をしました。
ポジション2→レセプションで負荷があるポジション。
ポジション5→(どちらかと言えば)攻撃に参加しやすいポジション。
5番の選手もレセプションには参加しますが、基本的には攻撃に参加しやすいです。
今まで柳田選手がずっと5番だった(代表でもサントリーサンバーズでも)のに、WL中国大会から急に石川選手と入れ替え、2番になったというのは面白い選択ですね。
柳田選手のレセプション能力が上がったのをベンチが買ったのもあるのでしょうが。
レセプションをオーバーで処理できるようになってからですね。
石川選手は2番で慣れていますしレセプションはできますが、よく来るジャンプフローターをオーバーで処理させたくて柳田選手を2番に置いたのかも…と後になってから思いました。
5番の魅力は攻撃参加
5番と言えば、「稼ぎ頭」です。
点数を稼いでナンボのイメージです。
石川選手が1試合の最多得点をよく目にするようになったのは、2番から5番へコンバートしたおかげかなと思います。
OPの選手が固定されればもうちょっと少なくなるとは思うのですが、それでも十分な役割を果たしていますよね。
それまでは柳田選手が打って打って打ちまくっていましたからね。
レセプションのフォーメーション図を見てもわかるかと思いますが、5番は目の前を遮られる場面が少なく、レセプションしてからそのまま打ちに行ける位置が多いです。
もちろん相手のサーブに多少動かされることはありますが、あまりに動かされるようであれば他の選手が取りに行くものですしね。
S4~6のフォーメーションは前衛になりますが、そのまま打ちに行きやすいです。レフトからのスパイクが増えていますよね。
S2~3はバックアタックもしやすい。
ポーランド代表・パナソニックパンサーズのクビアク選手は、S4の時にAクイックに入ります。
来シーズンもきっとそんな場面がよく見られるはずです。こういう攻撃は真似しても面白いですよね。
石川選手はS4でライトからスパイクしていた場面がありました。
「この場合、OPの選手はどこから打つんだろう…スロットが被るな」と、図を作っていて気が付きました(笑)
それならば、OPがA(いわゆるCクイックの位置)からbickですかね。
ファンもあれこれ考えるというのはとても楽しいものですよ!
本日はあまりあれこれ書かず、とりあえずアジア選手権反省会を次回に書いていきたいと思います。
この記事は修正や追記がよく入るかと思います。
何よりご要望の方の参考になればと思います。ありがとうございました。