どうも。リオです。
ネット環境が悪く、観たい試合をほとんど見れていなかったのですが、何となく追っていたリオ五輪。
もう終わってしまいましたが、男子はブラジル、女子は中国が金メダルを獲得しました。
今回は主に男子のお話をしてみたいと思います。雑感です。
最も日本バレーの参考になると思ったのは実はイタリア
イタリアは前回銅で、今回は銀のチームです。強豪と呼べるチームです。
しかし実際にはいわゆる「世界標準」を取り入れているとは言いがたい、言い方は悪いですが少々古風なバレーを展開するチームです。日本はもっと古いんですけどもね。
さらにブレンジーニ監督のタイムアウトやチャレンジ、メンバー交替は基本間が悪いです。
それは必要なの?というチャレンジが結構あったりして、策があるのかどうかはちょっとわかりません。
そのおかげでイタリアは試合の主導権を掴めず負けてしまうことも少なくありません。タイムアウト中は監督の話しを誰も聞いていません。
この2年の中心選手はとにかく選手の個の能力が高く、世界一のビッグサーバーのOP・ザイツェフ、WSのユアントレーナ、ランザとサイドは高火力の打ち屋が揃っていて、セッターは20歳の198cmセッター・ジャンネッリが操ります。
負けてしまうときはサイドが機能しない、最終的にはザイツェフの1人相撲になってしまい力尽きるということがあげられますが、勝てる時には物凄い力を発揮します。
予選を1位通過しましたが、その時のイタリアの強さは強靭なものでした。まさに強豪国。
そんなイタリアを観ながら考えたのは、東京五輪で全日本男子が予選通過(ベスト8)まで行ける可能性がある方法です。
イタリアをモデルとすると、日本が東京五輪で上位に食い込むには、ある程度世界標準とかまだ入れずに基本の考え方を修正してサーブでガンガン殴るチームにすれば、五輪でも上に行けるかもね。勝負時に攻めのサーブを打つメンタル部分は相当鍛え上げる。それ、JTがもうやってますよね…。
— リオ@バレーブロガー時々きすまい (@stellakin) August 22, 2016
こんな思い付きツイートをしましたけども、詳細をもっと掘り下げてみたいと思います。
イタリアから学ぶ日本バレーが勝つためのポイント
どうすれば東京五輪でメダルを取るチームを作れるかということを考えると、今の全日本男子・龍神ニッポンは課題が多すぎます。女子もそうですけどもね。
男子は代表はもう既に解散済みで、総括も何もありませんでしたし年内は予定がないので何もありません。
そこで1つ1つ東京五輪までに全て修正するというのは、考えるだけ不毛すぎると思うのです。
それならば、上位進出は8年後と考えて、とりあえず五輪へ毎大会出場できるチームにする。東京五輪では予選突破を目指すのはいかがでしょうか。
アジア代表のイランは世界標準を取り入れて予選を突破していますからね。
東京五輪は良くても、8年後のオリンピックは出場できない…という末路だけは避けたいですよね。
石川選手辺りなら、順調に行けば8年後も代表に選ばれていてもおかしくはないですから。
以下、ポイントを1つずつ検証していきましょう。
ポイント①・『基本の考え方を修正して』
まずは全ては基本から…ですね。
例えば、このリオ五輪は火の鳥ニッポンを見ていても、オーバーセットができないのは大きいなと思うんですよ。
安易にアンダーでセットして、スパイカーに高いトスを打たせようとする。それはいかがなものかと。
味方に優しく、敵に厳しくです。味方に厳しくしてどうするというのでしょう。
強いチームというのは、高いトス…ハイセットはオーバーですし、スパイカーが打ちやすい場所にきちんとボールを届けることができます。
「ダブルコンタクトが怖いので、そこで失点するよりは…」という考え方なのでしょうが、ダブルコンタクトしてしまうなど、基本ができていないということでしょう。
そこで味方に厳しくする必要はないですよね。
男子の北京五輪出場チームはハイセットはオーバーが基本でしたよ。山本隆弘氏もオーバーセットしていました。
そう言えば、イタリアは簡単に言うと、北京五輪出場時の全日本男子が近いかなと。もっと強力版ですけどね。
他、基本と言えば、
- トスはオーバーパス
- スパイカーはハイセットを打ちきれる、高いブロックにぶつかるのではなく技で勝負する
- ブロックはリードブロック
- ブロックはカニさんにならない。高さを意識する
- スパイカー全員攻撃参加
- ふわっとしたトス。ハイキュー!!で言うと、「ギュン」じゃない方
- レセプションはBパス、CパスOKで
- 強いサーブの時は高く上にあげておく
- ジャンフロはオーバーで捕まえる
- ジャンプサーバーの人数を増やす
- サーブの定石を知る
こうやって書き出すと、全日本男子の課題ほぼそのままになってくるんですけど、この辺のことは技術もそうですが考え方も大きいので、考え方からまず変えていただきたいですね。
世界標準も少しずつ取り入れることになります。攻撃参加やリードブロック、サーブの定石は必須ですね。
イタリアの場合、ディフェンスに特に難があります。組織的なディフェンスよりも個の能力が大きいです。
日本の場合はリードブロックを軸にしたディフェンス・システムを構築してほしいところです。
ポイント②・サーブでガンガン殴るチーム
イタリアの最大の勝因はやはり「サーブ」です。
強烈なサーブは強固なディフェンス・システムも凌駕できるのです。システムの強固なアメリカに対し、イタリアはサーブで競り勝ちました。
それを考えると、何と言ってもサーブが重要だと言うことですね。
ただ強く打つだけではなくて、組織的に相手に負荷をかけるサーブが必要になってきます。
その辺、プロ選手を多く抱えるイタリアは基本そのものが違いますので、それだけでも参考になるんです。
ポイント③・試合終盤、5点差を付けられても攻めたサーブを打ち逆転できる強靭なメンタル
日本のサーバーが抱えている問題なのですが、試合終盤にサーブで攻め、確実にブレイクを取るというメンタルが今後必要不可欠です。
特に20点前後ですね。相手にブレイクは取られてはならないですし、リードされていたらこの場面で確実に追い付く追い抜くサーブ力が必要です。
何よりも20点以降でビビらず強いサーブが打てるか?ということです。
サービスエースを取ることよりも、ブレイクできるかどうかに念頭を置いてほしいです。
思い出してください。とにかくサービスエースが欲しくて自滅してしまったOQT2016。
サービスエースだけが全てではありません。
サーブで相手を崩してCパスにする、相手はハイセットになり、そこに3枚ブロック。ブロックの隙間を埋め、レシーブも穴のない位置取りにします。
シャットアウトも理想的ですが、ブロックでワンタッチを取ればディガーが必ずボールを上げて、そこからスパイカーが走る。セッターからの丁寧なトス、そこからスパイクを決める。その瞬間が見たいですよね!
ハイキュー!!だと「カウンター」と言ったりしますし、大体「トランジション」と呼ばれます。そこを決められるかどうかですね。
女子はこのトランジションでスパイカーが決められずに苦しんでいた印象です。
自分達のサーブ権がある時に「ブレイク」したいですから、この考え方は必要です。
ポイント④・セッターがブロックの穴にならない
これも重要なポイントです。
世界と戦う上で、セッターのブロックの高さが低く、上から打たれてしまってセッター前衛のローテーションが苦しくなります。
イタリアは20歳の198cm・ジャンネッリ選手が務めていますが、やはりブロックの穴にならない高さはほしいですね。
身長は関係ありません。ただ、ブロックジャンプの高さは関係大アリです。
そこはジャンプした後の高さがあれば戦えると思います。
そして安定したセットアップですね。ふわっとした、石川選手にあげているようなトスがほしいです。
ダイレクトデリバリーを捨てて…という気持ちですね。それがセッターには求められます。スパイカーに優しいトスを。
なんでこんなにイタリアを勧めるかというと、もう既にJTがやっているから
ツイートを書きながら、「ああ、これもうJTがやっているな」と思いました。
監督がヨーロッパの旧セルビア・モンテネグロ監督のヴェセリン・ヴコヴィッチ監督でしたが。
JTサンダーズはこのバレーにかなり近い戦い方をしています。
以前JTを「サーブえげつない」と紹介しましたが、そんな感じです。イタリアも「サーブえげつない」です。
JTもサイドの火力が高くて、ブロックは去年はバラバラですが、ディフェンスの元になるシステムがあります。
JTや豊田合成の試合をよく見てみてください。
ネット際のボールの処理が皆うまくて「ボールが全然落ちない」という瞬間があります。
それは「皆レシーブがうまい」のか。実はそうではなくて、個のレシーブそのものは実力があるわけではなくて、誰がどのボールを取るのか細かく決まっているので選手が迷わないのです。
レシーブ力はなくても拾えるし、それをチームメイト全員で共有するので、誰が入っていても力が落ちないのです。
個々に見ていれば、全員レシーブ力がいいのかと言われるとそんなことはないんです。
ただ、「つまらないことでボールを落とさない」。
こういった点も龍神ニッポンにほしいところですよね。
サーブ力も相当鍛えていますし、何より同じ日本人に同じ戦い方ができているのだから、日本代表にできないわけないですよね。
JTも細かく言うと穴はたくさんあるのですが…今年はどうなっているでしょうね。
全日本男子もいきなり全てをガラリと修正よりは、まずはベスト8を目指して着実な勝利を付けていくのも1つの手段だと思います。
監督選びはやはり重要
日本人にはできませんよね。古いバレーしかしてこなかったので、新しいバレーには着いていけません。
噂が飛び交っていますが、とりあえずは外国人監督を希望したいですね。
まずはベスト8を狙うにしても、基本を見直してサーブで攻めるチームを作り上げるには時間が必要です。
今代表選手達が悠長にVプレミアを盛り上げている場合ではないんですけどもね。Vプレミアはとても楽しみですけど!
東京五輪まで、4年を切りましたよ。