Vプレミアリーグ男子【ファイナル】 – バレーボールのミカタ

Vプレミアリーグ男子【ファイナル】

試合結果
豊田合成トレフェルサ3ー2パナソニックパンサーズ

最終順位
1 豊田合成
2 パナソニック
3 東レ
4 ジェイテクト
5 JT
6 堺
7 サントリー
8 FC東京

テレビ中継は有り難い。そして実況にとても恵まれた試合

豊田合成のバレーは以前も書きましたが、一見すると助っ人のイゴール選手ばかりスパイクを決めていてワンマンチームに見えるかもしれません。実況の広坂アナウンサーも豊田合成のバレーを言葉で表現していくのは大変お悩みなったかと思いますが、丁寧な言葉にして発信してくれたのは本当に感謝しなければなりません。
他の局…他のアナウンサーであれば、合成をどう表現しただろうかと思うと、目も当てられません。きっとイゴールが打ちまくってイゴールで勝ったなどと表現するに決まっています。
現にメディアの記事でもそういった内容が書かれているのを見かけたので残念です。

解説の方は、何の数字だと思うほどによくわからないデータの話をしていたり、合成がスタミナでパナを上回ったと言っていたしで相変わらず残念でした。
特に清水選手に足の異変があったとき、監督経験者にも関わらず「一旦ベンチに」という言葉もなかったことがもう見ていて辛かったです。アクシデントがあっても無理して出場することは決して美しくはありません。
女子の木村沙織選手はファイナル3で足に違和感があった時には一旦ベンチに下がってコートに戻っては来なかったです。しかしこれが常識のあるチームだと思うんですよね。
今後OQTなども控えているし、選手生命もあるのにケガになっては大変です。清水選手が出場できなくなります。無理するところではないと思います。それこそ、東レ女子やJT男子のように、エースにアクシデントがあっても誰が出ても戦えるように準備しておくことがチームとして当たり前のことだと感じます。

パナの敗因の1つは山本氏ご指摘の通り「スタミナ不足」はあると思います。それはほんの1つの要因に過ぎません。ただ山本氏は1回でスパイクを決めに行ってしまうシーンを何度も見たので、そこは何回も攻め直して1点を取りに行かないといけないと言いたいのだと思います。

戦術技術では本当に敵わないとなってきたときに、4セット目以降スパイカーがネットにかけたりアウトになってしまう場面が増えましたので、そこで試合を諦めているような印象も受けてしまいますよね。リバウンドを取って切り返したりしていれば、特に5セット目はどうなっていたかと思います。ですが、清水選手が足に違和感を覚えたように、フィジカル面で問題があったということです。

何回もスパイクを打つのは非常にタフなことです。今回特にフルセットでしたしね。ですが、技術と体力と集中力、全てのバランスが重要になってきますよね。全てが整った状態のスタミナは必ず必要です。それくらい勝つというのは大変なことなんです。

パナの敗因は実はもっとあると感じています。戦術面と選手達のバレーの理解が特に足りないと感じますね。

戦術面…もっと清水選手に頼らない、「○○選手ありき」というチームを作ってはいけないんだと思います。談話で川村監督が反省していましたが、遅いですよね。
それを言ったら合成はイゴール選手ありきだと言われるかもしれませんけど、他の選手達が何もしていないわけではありません。再三広坂アナウンサーが「高いクイック」を取り上げてくれていたように、MBもWSもスパイクは打っていましたし、イゴール選手以外の誰かという印象はなかったはずです。しかしパナはほぼ清水選手やダンチ選手がスパイクを打っている状態でしたね。
ディフェンス面でもブロックとフロアの連携がうまくいっていたようには思えません。トータルディフェンスはしていないので、選手達の経験や勘で動いている面があり、当たるととことん当たりますが、ハズレると痛いです。

バレーの理解…「勝っている時は何がよくできているのか。また良くない時は何ができていないのか」をパナは理解できていたでしょうか?単にスパイクが決まる決まらないだけの問題ではありません。サーブ、ディフェンス全てにおいてです。コート内やベンチは何を感じていたでしょうか?
合成は選手達同士で試合中に修正することができるのです。1セット目や4セット目はあまりいい状態ではなかったのですが、選手交替なども経て5セット目はいい状態を作り出すことができていました。いつもいい状況とは限りません。しかしそれを打破する力・修正能力が高いチームは当然強いです。

セットも後半に向かうにつれて不安定になっていったのも感じました。コート内はどう感じていたでしょうか。ベンチからの指摘はなかったのですか?セッター交替もなかったですし、これでいいと思っていたのでしょうか。

問題の第5セット

足の違和感を悟って清水選手を一旦ベンチに下げたベンチワークは良かったと思うのですが、それでもまた戻したのは良くなかったと思います。戻ってきてもセッターの深津選手は清水選手に気を使ってしまってトスを上げられないですよね。
ダンチ選手もブロックでコースを塞がれいてそれでも無理してスパイクを打ってしまっていたのですが、アウトになってしまうケースが多かった。追い打ちをかけるようにダンチ選手の対角・今村選手のところへレシーバーを入れてバックアタックができなくなる…深津選手も大分困っていたのではないかと思います。
そして清水選手の替わりに入った池田選手がスパイクを攻めない…清水選手のバックアップという意識が低いですよね。もっとスパイクを打ち込んでほしかったです。

挙げるとキリがないです。

ともあれ、リーグ初優勝おめでとう、豊田合成!

バレーボールの技術的にも戦術的にも、そしてそれに対する選手達の理解度も、パナソニックを圧倒していた内容だったと思いました。2セット取られたとかはもう関係ないですね。全てにおいて上回っていたと感じます。レベルの高いバレーをこの日本で、そして日本人が体現してくれたことが素晴らしかったです。

バレーの内容は天皇杯でも散々書いていて、スタイルは特にその時と変わっていないのですが、天皇杯よりも内容は良かったと感じています。

まず選手交替でバタバタしなかったことですね。
天皇杯はWSを替える場面でどうも機能しないことが多かったのですが、ファイナルでは落ち着いていましたし、高松選手が山田選手に替わっても山田選手がその役割をきちんと全うしていて勝てたことが大きいです。
選手達が自分の役割を考え、理解を深めた結果ですね。

決してイゴール選手ばかりではない

本当にこれに尽きます。パナの清水選手が「豊田合成はイゴールのチーム。彼一人の力で勝ったようなもの」と言い放ったようですが、打数や得点だけ見ればそうかもしれないですが、誰がそこに繋ぐんだ?と言えばやはり周りにいる日本人選手達の存在が欠かせないですよね。清水選手には戦った相手チームを称えるような言葉の配慮がほしかったものです。

もっと他の選手に焦点を当てた記事もあったので、そこが救いです。もっと出て来てもいいと思うのですが。

イゴール選手ばかりではないと私も散々このブログでご紹介しているので、そろそろもういいだろうと思うところなんですがね。

かといって、豊田合成のバレーも完全ではない

合成は国内最強です。ですが、完璧かと言われると、それもそうとは限りません。

攻撃枚数だけで言えば、合成はパナより少ないです。本来ならばパナは常にレフト・ライト・MBのクイック・真ん中からのbickの4枚の攻撃を仕掛けることができる選手が揃っています。合成は全員で同時にさまざまなスロットから攻撃を仕掛ける、同時多発位置差攻撃はないです。それはクリスティアンソン監督的には重要なこととして捉えていないのでしょうか?

白岩選手が後衛の時に特に深刻です。攻撃枚数は実質3枚になります。3枚のみですと、最悪ブロックが1枚になっても1枚はしっかり飛ぶことができるので、1枚ブロックでシャットアウトされることもあります。白岩選手はレセプションの中心の1人ですが、できれば攻撃にも参加してほしいところではあります。日本代表で世界と戦うことを考えると、バックアタックは必須です。

この試合後半でクイックが使えなくなったことも不安要素としてはあります。セッターの内山選手のセットは全体的に低めに来ていて、イゴール選手もいつもの高い打点では打てていなかったですし、クイックが合わないということもありました。合成のクイックは高い打点に置いてくる1stテンポのクイックなので、とにかくスパイカーと打点の高さが合わなかったです。高すぎたり低すぎてシャットアウトされる場面が続きました。
それでも第5セットはクイックを使っていましたし、魔の第3、4セットよりも内山選手が修正していたのは見受けられましたが、クイックが減ったおかげでかなり苦戦したのは確かです。

パナが燃料を投下してくれたので、女子ファイナルよりも記事が分厚くなりましたが…。
とりあえずこの辺でやめておきます。
リーグ総括を後日書かせていただきたいと思っていますので、読んでいただけると嬉しいです。