本当に海外のスタイルは日本バレーと合わないのだろうか? – バレーボールのミカタ

本当に海外のスタイルは日本バレーと合わないのだろうか?

こういった疑問はいつも思うんですが、どう考えても結果は「いや、できるでしょ」という結論に達するんですよね。皆さんはいかがですか?今日はとりあえずご一緒に考えてみるだけしてみませんか?というお話です。

「いや、できるでしょ」という理由①:『奇跡のレッスン』を見て

マルキーニョス氏は海外から来たコーチですが、言葉の壁はややあっても、生徒達は心を開いているように見えませんでしたか?というのもマルキーニョス氏は『相手が日本人の子供だから』という意識で指導したのではないんですよね。そこで壁が取れたというのもあると思います。
この番組では、チームワークというワードが何度も出て来るんですが、マルキーニョス氏の言うチームワークというのは「味方に優しく」というのがテーマなんです。「味方を思いやってプレーすれば、自ずと相手のやりやすい方にボールコントロールできる」というものです。これが日本人にはできないと!?という。
では、海外のチームの指導者がそう言っていて、それが指導された子供達がやがて大人になり国の代表選手としてプレーするようになるのですが、そこで大きく変わるということがあると思いますか?

指導の仕方は海外風と言えばそうだったのかもしれません。選手の個性や主張を否定せずにいたりは日本ではあまり見られないでしょう。しかしいきなりこうしろああしろと大きく変えたでしょうか。短期間ですし、とにかく最低限必要なことを教えてくれたんだと思いますが、それが日本の生徒達に響かなかったなんてことはなかったと思います。言葉がわからなくても、通じ合うことがあると思いますよね。

「いや、できるでしょ」という理由②:JTや豊田合成に代表するVプレミアにおける外国人監督のチームを見て

・豊田合成トレフェルサの例

豊田合成は2013/14シーズンからフィンランド出身のアンディッシュ・クリスティアンソン監督を招聘しました。その後、Vプレミアリーグの成績は14/15シーズンは3位、15/16シーズンは首位を独走中・天皇杯優勝と成績を上げています。チーム方針は中の人でもないので詳細はわかっていないのですが、言われているのは「選手と監督は直接英語で会話している」という点ですね。選手達も何とか教わろうと思って自ら英語を学習したんだと思います。選手達も期待に応えたかったんでしょうね。
そして選手達が監督のバレーを体現できるまでになり、この強さを発揮しています。ディフェンスは完全にシステム化していて、忠実に選手達がプレーするだけという段階ですね。今一番海外のバレーを取り入れて体現できているチームです。そういうチームが優勝しているのですから、海外バレーを取り入れることは難しくないと考えていいですよね。

・JTサンダーズの例

合成と同じく2013/14シーズンからモンテネグロ出身のヴェセリン・ヴコヴィッチ監督を招聘しています。合成が優勝するまで3年目になっているのに対し、最初に結果を出したのはJTの方でした。13/14シーズンで下位からいきなりリーグ2位、14/15シーズンは天皇杯・リーグ優勝、15/16シーズン現在は選手の不調と重なっているのか6位という順位ですが、天皇杯は準優勝と侮れません。JTは英語で監督と通訳を通して話しています。
JTのバレースタイルは「サーブのえげつなさ」に代表されるのですが、全てサーブでディフェンスまでも有利に立つことをしています。あと基本プレーが本当に良くなった印象です。JTは選手達の役割を明確化していて、ここぞの大事な時にビッグサーブだったりを確実に決められるメンタルの強さがあります。バレーそのものは大きく変わるわけではなく、勝つために必要なことを体現できるようになって勝てているのだと思います。合成とやり方は違えど、強いチームとなりました。

・現在模索中のチームの例:サントリーサンバーズ、堺ブレイザーズ

サントリーは今年は今一つ結果が出ていませんが、新チームになったわけでもないのにつまづいていますね。代表選手5人の合流遅れも響いている印象です。もっと選手同士、選手とベンチが話し合う時間が必要なのかもしれません。去年年明けで何故か急激に良くなったのですが、今年もそれが見られるのかどうか気になるところです。去年はサーブ&ブロックを思い出していただきたいですね。

堺は海外でバレーを指揮した印東監督に代わり、日本人ですがバレースタイルはかなり変わりました。今年で2年目なチームで、結果は去年は奮いませんでしたが今年は天皇杯ベスト4まで来ています。端から見ても、徐々に監督のやりたいバレーができている気がします。ハイキュー!!でも最初変革の時は勝てなくなったように、堺も大幅に土台から変えたので時間がかかっています。まだちょっと「あれ?」と思う程に崩れてしまう時もあるのですが、強さを発揮した時はとても強いと言えます。凄いバレーをしてくれるチームになってきました。今後楽しみです。

このように、事例は出始めているというか、もう出ました!

過去、いや、ほんの数年前に日系アメリカ人であるゲーリー・サトウ氏を代表監督として招聘しましたが、結果が出なかった(世界バレーに出場できず)のが原因で解雇されてしまったのですが、事例を目の当たりにするとこれが数年我慢していればどうなっていたかと悔やむバレーファンも多いはずです。私もそうです。ゲーリー氏は監督就任時に時間がなく、選手選考をさせてもらえなかったりと不利な条件を突き付けられていて、結果が奮わないからというには厳しすぎます。

せっかくVプレミアのチームで盛んに海外のバレーが取り入れられているわけですから、他のチームだけではなく代表ももっと海外のバレーを取り入れていくべきです。取り入れられないということはないと思います。選手達が真摯にバレーに向き合い、向上の意思を求めれば監督は答えてくれるはずです。上に挙げたようなチームがそうだからです。2015年にイラン出身のアーマツコーチを招聘しましたが、もっと取り入れていっていいと思うんですけどもね。

懸念していることとは

よく「女子は結果が出たし、そんなに批判しなくても…」という意見を目にします。スポーツは勝敗があるので、負ければ批判というか「このままでいいの?」という疑問がつくのは普通の感情だと思います。野球やサッカーでは負けたら監督批判が当然のように出てきますよね。同じように女子なんかは本来世界バレーで惨敗した時点で眞鍋監督の戦術に対して批判が起こり、監督交代となっていてもおかしくはない成績なんです。女子はロンドンでオリンピック銅メダルだったんですからね。新しい戦術を試しているから…とお茶を濁して終わっていますが、最悪リオオリンピック出場を逃してもおかしくはない成績です。

女子に関しては、やはりいいバレーしているように見えないんですよね。選手達が窮屈で苦しそうです。それに対して「このままではダメなんじゃない?」という意見が全然出て来ないというのは、確実にスポーツの衰退を招くと考えています。いろんな考えがあっていいんですけど、女子代表は勝てるバレーをしているのか?と言うと、素人の方でも肯定する人は多いのかどうか…。その辺はわかりかねるのですが、少なくとも「ワールドカップを見て女子と男子、どちらが面白かったですか?」と聞かれたら、負けが多かったけど「男子」と答える人の方が多いと考えています。それは明白かなと。

バレーを衰退させてしまうものは一体何なのか?

ゆっくり考えていく課題の1つだと思いますけれども、もう男子に関しては衰退もいいところで現に勝てなくなりました。海外はもっと強化している、移り変わるバレーの戦術を取り入れてアップデートしていくのです。日本は勝てない中、ゆっくりでも今後強化が進んで勝てるようになればいいわけです。衰退してしまわないように、選手達を大切にしながら、戦術などでもっとアップデートしていく必要があると思います。個々の選手の能力はきちんとあるわけです。それを活かすも殺すも戦術次第です。基本技術も足りないところはあるんですけれどもね。

これは女子にも言えます。女子は特に技術がありますから、戦術で選手の能力を殺している場合ではないわけです。戦術さえまともなら、もっと上に行ける。金メダルを取れるチームということは絵空事ではありません。怖いのが戦術面ですよねやはり。不安になってきますね。

勝っているチームを参考にすること

これが日本バレーに足りないことですよね。合成のクリスティアンソン監督が「日本のバレーは海外と比べて30年遅れている」とおっしゃっていたそうなんですが、それに少しは追い付かなければならないと感じます。例も挙げましたが、海外のバレーを取り入れることは日本では難しいということはないとわかっていただけたと思います。実際に多く取り入れているチームが上位を占めています。

ファンの私たちにできること

バレーを見ましょう。そしてバレーを理解しましょう。アップデートしましょう。これに尽きます。
野球やサッカーはファンが戦術をとても理解していて、おかしなことをやっているなと気付いて発信することが多いんです。それが強さ、スポーツの面白さに繋がっています。そのスポーツを理解して愛しているからできることなんです。

目の前で行われていることはどういう意図でそうしているのか、意図が必ずあります。私も何年か前にはこんなにバレーを真剣に見ていなかったです。バレーを見る目もなかったと思います。ハイキュー!!を読んだり、バレーぺディアを読んだりしてだんだん変わったところがあります。まだ完璧に全てがわかるわけではないですし、これからもアップデートを続けていきたいと思っています。バレーは日々進化していきますからね。

おすすめは、バレーの試合を見ながら実況しているSNSアカウントさんをフォローしてみることです。絡んでも教えてくれると思います。ですが、用語が凄く飛び交うので、用語などはあらかじめハイキュー!!やバレーぺディアで覚えておくことをおすすめします。

楽しいバレー観戦ライフを!そして、疑問に思ったことはどんどん話していきましょうね。