バレーボールのミカタ

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奇跡のレッスン~バレーボール編~を視聴した感想

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BS1にて既に2回の放送がありました、「奇跡のレッスン」。2回目でようやく録画できて見ることができました。

私は指導者という立場ではありませんし、教育現場の人間でもありません。ですが、一応バレー経験もありますし、高校の大会を見ることはあります。どういった練習方法をしているのかはわかっているので、この番組は衝撃的なものでした。

いや、日本国内ならいざ知らず、海外ならばもっと違った練習方法を取っているんだろうなというのは容易に想像することができます。また、言葉掛けなども日本とは全然違うんだろうなということも。海外ならば監督が練習中や試合中に罵声を浴びせることもないし、同じ練習をただ繰り返すだけではなくて自立した個人として認め合って理論的に物事を解決しながらステップアップしていくんだろうなということも。

何せ日本のバレーボール選手は自分で考えない選手が多すぎる

生徒達が練習をやらされているからということが大きいです。監督の先生の言うことが【絶対】で、疑問に思っても逆らうことができません。監督に言われたことをそのままやるだけの組織になってしまっているからです。それは中学・高校のみならず、社会人、代表においても例外ではありません。考えないというのは、プレーにも出てきます。不利な体勢から無理矢理スパイクを打ってシャットアウトを食らってしまったりとか。

勿論全員ではないんですよ。しっかり自分で考えて、主張を表に出す選手はいます(いました)。しかしそんな貴重な選手を代表に呼ばなかったり出場機会を奪ったりと協会は卑劣なことを繰り返してきました。代表に選ばれたいのに選ばれなくなるというのは選手達にとっては脅迫的ですよね。従うことしかできません。酷いものです。

奇跡のレッスンで伝わったこと

ブラジル代表ユース・ジュニアの監督も務めたマルキーニョス氏をゲストコーチに呼んである中学校の男子バレー部を1週間指導したというもの。指導先は監督が熱心でしたがバレー経験者ではなく、生徒達も3年生が抜けてバレーを始めたばかりの2年1年だけのチームというところでした。
ユース(U-18)、ジュニア(Uー20)という世代でマルキーニョス氏が指導していた生徒達は、シニアチームで金メダルも取っています。マルキーニョス氏は若い世代を育成するスペシャリストということです。

このマルキーニョス氏の言葉がけが本当に凄く良くて、Twitterにメモしていました。一部ご紹介します。

『強制的にやらされる練習では生徒は育ちません』
『子どもを指導する上で大切なのは“またコートに戻りたい”と思わせることです』
『味方には優しく、相手には厳しくボールを返すんだ』
『味方への思いやりがなければ、ボールは繋がらない』
『バレーボールとは集中と感情のバランスだ』
『監督というのは生徒に勝つ責任を与えない。勝つ責任から生徒を解放する』

などなど。

印象的なこと

実際に生徒達に練習をさせるとなったときに、まず「ボールを1つ持って、いろんな方向へドリブルしていきなさい」と言いました。すると生徒達がコートの周りを規則的に周りながらドリブルしているので一旦練習を止めました。
「この練習ではボールのコントロールを身に付けるためのものだから、規則的ではなく色んな方向に行く必要があるんだ」と教え直します。ここでポイントなのが、この練習のポイントをあらかじめ話したことにあります。その後の指導もマルキーニョス氏は練習の前にどんな目的でこの練習をするのかというのを事前に話していきます。そうすることで、生徒達がそれを理解して練習に取り組むようになるのです。中学生は素直だし、期待に応えようとしているのが見ていてわかりました。

また、1つ1つの練習が試合を想定しているものです。チャンスボールを拾うにしても、そこからスパイクを放つまで通してやっています。そしてただボールを上に上げるだけではなくて、意識して味方がやりやすい方向へボールを飛ばしていくことも植え付けていきます。味方へ思いやりのあるパスをということを何度も言っています。次の人のことを考えてプレーするということをそのうち生徒達ができるようになってくるんです。
これを見ると、味方に厳しく(速いボールはセットアップしづらい)返す女子代表を見ると結構見苦しく感じるようになります。

そのうち生徒達がマルキーニョス氏に心を開いていくのですが(これも凄いことです。この短期間に)、マルキーニョス氏が生徒の個性を尊重してくれています。初めは動揺していた生徒達ですが、生徒達のやり方は否定せず、「こうすればもっと良くなるよ」という言い方に変えているのです。言葉がけが本当に良いですね。

スパイクの苦手な生徒が登場するのですが、その時もボールを拾ったらすぐに助走に下がることを植え付けます。そしてセットを高く上げさせて、その生徒にそれまで苦手だったスパイクを促すことで、どこか消極的だったその生徒に攻撃の参加意識が生まれるのが見ていてわかります。後に練習試合でその生徒がスパイクを強打するシーンは感動ものです。
マルキーニョス氏はどんな生徒(サイド、MB、リベロ)にも同じプレーを練習されます。リベロにもスパイクを打たせていました。子供のうちはいろいろなポジションを経験させるのがいいのだとか。ごもっともです。大きいだけでMBになってそのポジションだけを練習して、二段トスが上げられない選手に育ってしまいますからね。

1つの練習をその場その場でこなすだけだった生徒達が、試合を想定した練習をすることによって自分達がしたミスなども試合では失点になるということを教わります。試合ではとにかく打てなかったら無理をしないでパスで返せということも教わっています。無理をしないということも将来的に大切ですよねぇ。

練習でやることは試合にも繋がっている

特別高度なことはしていないのですが、意識してプレーさせることで生徒達の顔付きも変わりますね。ただ時間を浪費するのとは違って内容のある練習をすることが大切ですね。実際強豪との練習試合が組まれるのですが、そこで緊張してしまって思うようなプレーができなくなったりました。しかし1つ練習通りのことができると、次から次へといいプレーが出てきます。1週間でここまで変わるのかというチームになっていきました。試合前に「監督は勝つ責任を選手に与えない」という言葉が出てきます。勝つ責任を選手に押し付けている監督を何人か思い当たってしまい、何とも言えない気持ちになりました。

最後の日はボードを使ってミーティングしていました。そこでバレーには「集中と感情」のバランスが大事なんだということを教えてくれました。緊張しすぎると集中が途切れて不安に襲われて体が動かなくなってしまう。リラックスすればいいプレーができる。それを生徒に理解してもらう。全てマルキーニョス氏のプログラム通りなんだと思います。

教わったチームはその後新人戦の地区大会で優勝することができました。ほぼ初心者に教えているだけでここまで変わるのかというのを目に見えてわかりましたね。あと監督の先生も言葉がけなどを学んだをおっしゃっていました。今後の指導に活きるといいですね。

こんな指導を全員受けていればな…と思ってしまった

日本の今のシステムですと、バレーをするのにまずクラブや部活動を通さなければならないですね。優秀な選手もそこから始まり、監督の指導が間違っていても絶対従い、そこでポジションに振り分けられ、繰り返しの練習をしたまま社会人まで来てしまうというのが現実です。若いうちにもっと実りのある練習をしていってほしいですね。

とはいえ、番組は凄く素晴らしいものでした。再放送してほしいですね。もっといろんな方に見ていただきたいです。

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