「Volleyball Channel」から読み解く龍神ニッポンの課題 – バレーボールのミカタ

「Volleyball Channel」から読み解く龍神ニッポンの課題

ようやく本題になりますね。
番組内容から龍神ニッポンの戦い方が少し見えてきたので、考えてみようと思います。
1人のファンがこんなことを考えていますよということなので、必ずこれやったら勝てるということはないと思います。
ですが、ファンが試合を見ること・考えることをやめてはならないと思うので、ここに書いてみようと思います。

5勝したからこのままでいいというわけではない

当初1勝しかできないんじゃないかと言われていた龍神ニッポン。新たに若い選手をスタートから起用し、若さなのか何なのか怖いもの知らずで駆け抜けた2週間だったと思います。5勝したのは喜ばしいことですが、問題はワールドカップに本気で来ていたのは強豪だけではないか?ということです。カナダやオーストラリアはかなり若いメンバーで来ていたという話もありますし、これがオリンピックの出場権をかけた世界最終予選(OQT)でどんな戦いになっていくのかは未知数です。しかしどのチームもOQTに向けてチームを仕上げてきますし、日本もこれから仕上げて来なければなりません。時間は残り少ないです。

何が必要なのか考えてみる

現在Vリーグ真っ最中なのですが、そちらは少し置いておきます。

1.ビッグサーバー

今のメンバーでサーブの精度を高めることも必要なのですが、如何せんパワー不足は否めません。もっとビッグサーバーは必要です。それなら、去年の方がビッグサーバーが揃っていたので、今年のメンバーだけでは不安です。去年呼んだメンバーも集めるべきです。
サブでいてくれると心強いベテランにしてビッグサーバーが多いので…越川選手や石島選手はパワーもありますし、千々木選手や手塚選手などの中堅もビッグサーバーはいますから。
ブレイクするにはまずはビッグサーブでサービスエースを取っていきたいので、人数は増やしたいところです。

2.守備固めの選手もブロックフォローではなく攻撃に参加せよ!

南部監督のブロックフォローのお話から、ブロックフォローにだいぶ時間を割いてきたんだなというのは感じられました。が、攻撃参加意識のお話でもしたように、バックアタックも攻撃枚数に入れていかないと、サイドアウトは簡単ではありません。南部監督は攻撃枚数の確保からサイドアウトで有利に立つことを考えてはいないんでしょうか…とても不安です。
サイドアウト率を上げていくというのを目標に掲げていて(実際サイドアウトだけではなくブレイクしなくては試合には勝てないわけですから、サイドアウト率を高めるのを目標にされても困るわけですが、そこは置いておいて)、どうやったらサイドアウトを高い確率で取れるかどうかをまず理解していないんでしょうか?サイドアウトを取るには、相手がサーブで崩してきたとしてもそこからサイドアタッカーだけではなく、クイックやバックアタックと攻撃のバリエーションを増やすこと、攻撃枚数を確保することが大切です。クイックやバックアタックがあれば、ブロックは分散できます。スパイクが決まりやすくなるわけです。

3.データをうまく活用すること

山本氏ご指摘のように、取れたセットと取られたセットがあってその中で取られたセットの敗因は明確なわけです。実際にデータばかりに気を取られては勝てる試合を逃すことになります。イラン戦ではうまくいっている時はどうしたから勝てていたのかをうまく分析できていなかったということです。勝てていた時の通りやっていれば良かったわけです。しかし無理に作戦を変えてきたのは、目の前のMBの決定率ばかり追っていたからです。ベンチワークが鍵になってきます。選手達もうまくいってなかったら改善を要求すべきです。
いろんなデータが出ているのはわかりますが、データだけを意識するのではなく柔軟に対応したいものです。
基本的にMBにコミットし始めたら負けフラグです。相手にしてみたら嬉しい展開でしかありません。相手が嫌がること(リードブロックでクイックはワンタッチを狙い、サイドへ2枚着けること)をしていきたいものです。

4.セッター

ワールドカップでは深津選手ばかりを起用していたのですが、清水選手も「コンビが合っていなかった」といっていたこともあったし、成長のためと無理矢理深津選手ばかり起用するのは深津選手の成長にも良くないと思います。セッターは自分が選択したスパイカーのスパイクが決まらなければ不安になってくるものです。上げても上げても決まらないこともあります。そういったときに、今のセットはどうだったのか?スパイカーとコミュニケーションを取ることも大切ですが、外から見ることも大切です。一旦引いて相手ブロッカーのブロックの着き方などを見て冷静になるのです。
セッターが必要なわけですが、阿部選手を飼い殺しのようにしたのはかなりの疑問でした。今後また選手選考が始まるかと思いますが、他のセッターも試してほしいです。JT深津選手(お兄さんです)、合成内山選手、ジェイテクト高橋選手、、スパイカーの打ちやすさは内山選手がいいと思いますし、ジェイテクト高橋選手のトスワークもいいですし、JT深津選手のサーブは見物です(セッターもサーブは重要ですからね)。いい選手はプレミアにもたくさんいるんですよ。プレミアリーグでセッターの指標もあるのですが、そこに拘っていては勝てません。全ては数字ではなくゲームの中にあります。

5.トータルディフェンス

ワールドカップを見ていても、ディフェンスがハマっている時は凄く機能している時もあったのですが、そうじゃない時もありましたね。山本氏ご指摘のイラン戦もまさにそうです。どうしてそんな波が生じてしまうのか。それはトータルディフェンスの概念がないんです。
今の龍神ニッポンではそういったシステムを採用していません。サーブで攻撃の的を絞り込み、そこからある程度数字を見ながら予測してブロックを飛んでいき(ハイキュー!!だといわゆる『ゲス・ブロック』)、レシーブの布陣を敷くということをやっています。ですから、予測が外れた時はブロックは無駄に飛んでいることになるしレシーブの布陣もズレているので、相手からしてみたら楽に攻撃できてしまいます。
しかし、勝負事ではありますが、バレーボールは博打ではありません。山勘でブロックを飛んでいては勝てません。山本氏ご指摘のように、男子のスパイクをどうにかディフェンスするために選手達は頭を使っているんですね。ある程度システムがあるのです。
推測に相手を当てはめるのは限界がありますので、今後はまずリードブロックが必要になってくると思います。

6.若手選手の戦術理解

お勉強の話です。NEXT4世代は戦術の理解がまだ乏しいと考えます。いや、ベテランにも言えるんですけどもね。しかしサーブにしろ、ディフェンス戦術にしろ、理解が必要だと思います。大学から高いレベルでシステマティックにやっているといいんですが、そういうことはないので。個人技でいい選手を集めたら勝てる世界です。ウエイトトレーニングも足りないですし。
ですが、日本代表としてやるなら、システムがありますしそれを理解して戦ってくれないと勝つことが難しいです。世界が組織的にシステマティックに戦ってくるので、1人の個人技だけでは太刀打ちできません。組織的に全員で戦うことをもっとやって理解していなければなりません。大学のスター選手がVプレミアに鳴り物入りで入ってきても通用しないことが多々あります。スターじゃなくてもプレミアのチームがスカウトしてきた選手が戦術に適応して生き残ったりします。
戦術を理解して自分に何が求めれているか考えられる選手が代表にも相応しいと思います。

しかしその前に戦術がダメならいい選手達も活きないので、ベンチは本当に頑張ってねと思いますけどね…。現状をベストと考えて守りに入りませんように。